2012年3月10日土曜日

薬に詳しい方、できればお医者様に回答頂ければ・・。

薬に詳しい方、できればお医者様に回答頂ければ・・。

主人(36歳)が2回目の深部静脈血栓症になりました。今後永久的にワーファリンを飲む事になりそうです。

前回発症から10ヶ月程でワーファリンの服用を中止した所、1年後に再発しました。

前回・今回とも色々検査をしましたが、原因が解らず・・という事です。



今回で2回目なので、医師からは永久的にワーファリンを飲んだ方がいいと言われているのですが、まだ若いのでこれから長い間薬を飲み続けて大丈夫なのでしょうか?

ワーファリンというと、血が止まらなくなる・出血しやすくなるなどの怖い副作用ばかりが気になってしまいます。

ワーファリンについて、色々教えて下さい。

実際長く服用している方の回答も頂けると嬉しいです。







ワーファリンは使用する上で、色々な制約をうけるものとお考え下さい。

まずワーファリンとは血液中に直接作用するわけではなく、肝臓で作られている血液凝固物質の内、いくつかがその合成にビタミンKが関わっていて、ワーファリンはそのビタミンKを阻害することにより、抗凝固作用を実現させます。そのためワーファリンは内服してから効果が現われるまでに2~3日程度かかるのですが・・・中止してからも2~3日は効果が持続するのが特徴です。



深部静脈血栓症にも有効ですが、次のことに注意を要すかと思います。



内服管理が不可能な方や新鮮な脳出血後、中枢神経や眼の最近の手術、炎症性腸疾患、消化性潰瘍、食道静脈瘤、肝硬変の非代償期、出血傾向がある方、消化器や呼吸器の内視鏡的生検前等です。



尚、定期的な血液検査(1※TTとPT-INR)や2※食事管理も必要となりその辺が大変なところかと思います。又、ワーファリンは他の薬剤との相互作用が多い薬ですので、他の医師にかかる場合に、使用の有無を必ず伝えなければなりません。よくあるのは、胃カメラで組織を取る場合、大腸ファイバーでポリープを取る場合などですが、また全身麻酔の大きな手術や、内視鏡手術を行う場合も同様に中止、減量が必要でしょう。



1※ワーファリンは治療域が狭く(有効かつ安全な範囲が狭い)食事や他の薬剤、体質などに影響されるため定期的にその効果をチェックしなければなりません。具体的にはトロンボテスト、あるいはプロトロンビン時間で評価します。施設によってどちらを指標にするかは異なりますが、世界的には後者が一般的です。後者は試薬による誤差を補正した値「INR」で評価されます。



2※ワーファリンはビタミンKによってその効果が減弱しますので、ビタミンKを多く含む食材には注意を要します。単位グラムあたりのビタミンKの量が最も多いとされる納豆、クロレラは原則禁止されますが・・・その他の食材は基本的に摂取可能です。納豆、クロレラも、定期的に同じ量を摂取するのであれば、(その分ワーファリンを多めに出せばよいわけで)絶対にダメというわけではありません。現実的にはそのような奇特な患者や医師は稀有なため、原則禁止しているわけです。以下にビタミンK含有量の多い食材を列挙しておきますのでご参照下さい。いずれも連日大量に摂取しなければ、特に問題ないかと思います。



かなり多いものとして、納豆、クロレラ、チーズ等。

多いものとして、パセリ、シソ、アシタバ、ほうれん草(葉身)、生ワカメ、アマノリ、チリメンキャベツ等

やや多いものとして、クレソン、トウミョウ、ミツバ、シュンギク、カブ(葉)、ヒジキ、乾燥ワカメ、メキャベツ、コマツナ、ニラ、ブロッコリー、ネギ(緑色部)等

上記より少ないものとして、レタス、キャベツ、キュウリ、グリーンアスパラ、インゲン豆、エンドウ豆、コンブ、牛レバー等です。



余談ですが・・・新しい抗凝固薬(キシメラガトラン)が最近、ワーファリンに代わる新しい抗凝固薬として注目されています。その中で唯一の経口内服薬として注目されているのがキシメラガトランと呼ばれる薬で、この薬はワーファリンと異なり、血液中に直接作用するため、短時間で効果が表れ、同様に短時間で効果が薄れるようです。よって1日2回の内服が必要です。最大の特徴は効果が安定していることで、ワーファリンのように定期的な血液検査による管理の必要がないことです。また食事による影響もわずかだということですし、他の薬剤の影響も少ないようですね。



※参考までに。

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