2012年3月13日火曜日

DICの治療にワルファリンが無効なのはなぜですか?

DICの治療にワルファリンが無効なのはなぜですか?







とても重要な質問をしていただきありがとうございます。



ワルファリンは、ビタミンKの拮抗薬です。ビタミンK依存性凝固因子である、第VII、IX、X、II因子(これは半減期の順番です。第VII因子が最も半減期が短いです)の活性を低下させます。

http://aachan1219.jugem.jp/?eid=4524



さて、DICの本態は、全身性持続性の著しい凝固活性化状態です。

http://aachan1219.jugem.jp/?eid=4196



ですからDIC治療の根幹は、DICの本態である凝固活性化を阻止することです。この目的に使われるお薬は、ヘパリンなどです。

http://aachan1219.jugem.jp/?eid=4166



ヘパリンは、活性型凝固因子(トロンビン、活性型第X因子など)をブロックしますので(DICの本態を阻止しますので)、DICに有効です。



ワーファリンは、ビタミンK依存性凝固因子活性を低下させますが、活性型凝固因子をブロックさせる作用はありません。ですから、DICには無効です。

http://aachan1219.jugem.jp/?eid=4156



肝硬変という病気があります。肝硬変ではビタミンK依存性凝固因子も低下しますが、ほとんど全ての凝固因子活性が低下します。しかし、肝硬変でもDICを発症します。凝固因子活性が低下してもDICには無効なのです。



そうではなく、活性型凝固因子(トロンビン、活性型第X因子など)をブロックすることがDIC治療になるのです。








肝臓で凝固因子の合成を阻害するという薬なので、DICという緊急事態に対応できるような即効性が期待できないからでは?

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